Xmas
〜REI〜
クリスマスの25日、ネルフのMADの部屋。レイはいつもの様に遊びにきていた。TVには街の賑わいが流れており、リツコはコーヒーを飲みながら呟いた。
「もうクリスマスなのね・・・時の流れは早いわね」
ほとんどネルフにいるリツコにとっては時間の概念がわからなくなっていた。
「レイ、今日はクリスマスなのよ。ここにいてもいいの?」
ジッとTVを見ているレイ、年頃の子ならば普通こんなところにはいないだろう。
「クリスマス・・・・それ食べ物?」
ガン!
おもわず額をロッカーにぶつけるリツコ。
「でも、にんにくラーメンチャ―シュー抜きの方が好き」
「レイ〜〜〜」
腫れたおでこをさすりながらクリスマスをレイに説明し始めた。
「で今はお祭りみたいなものになっているけど、クリスマスはそういう意味なの」
「そうなの・・・」
コクコクとうなずくレイ、理解したようである。
「私・・・碇クンとすごしたい」
頬を桜色に染めると呟いた。
「ふふ、そうよね。シンジ君が好きなんですものね」
「・・・・・・コクコク ポッ」
否定はしない。
「でも、弐号機パイロットが邪魔」
そうである。シンジの同居人には弐号機パイロットのアスカがいる。易々と二人で過ごせるわけが無い。気落ちするレイ、だがリツコは・・・・・
「ふふ、安心しなさい。こんな事もあろうかと、アスカは拘束しているわよ」
ニヤリと笑った。今日シンジとアスカにはテストと言っており二人はネルフに来ていたのである。そしてアスカは白衣軍団に気づかずうちに拉致されていたのである。
カチッ
モニターのスイッチを入れるとある場所が映し出された。
「碇クン!」
映っているのはシンジ、自販機のイスに座ってジュースを飲んでいた。
「レイ、行って来なさい」
優しい母心、リツコは姉心と思っている。
「・・・・・・」
「どうしたの?」
指をモジモジさせ俯くレイ、心なしか影ができている。
「プレゼントが無いの・・・・」
そう今までクリスマスを知らなかったレイ、当然プレゼントなど持ってきていなかった。だがリツコは・・・
「こんな事もあろうかとプレゼントを用意しておいたわよ」
サッと髪を掻き揚げると可愛いリボンのついた箱を手渡した。
「ありがとう博士」
「ふふ、いいのよ。シンジ君を誘ったらカフェテリアに行きなさい。二人にプレゼントを用意しておくから」
「はい」
レイは一礼すると、部屋を出ていった。リツコはコーヒーを口に含むとTVに眼を戻した。
「また姉として良いことをしたわ」
とことん姉にこだわるリツコ、齢3×歳である。
変わって場所は自販機前、シンジはイスに座りジュースを飲んでいた。
(アスカどこに行ったんだろう?)
二人で通路を歩いていたら突如としてアスカが消えていた、当然シンジは白衣軍団に気づかなかったのである。
(テストまでまだ時間があるな)
何もする事が無く天井を見つめ時間を潰す。すると聞き慣れた声が聞こえた。
「碇クン・・・・」
「綾波もテストなの」
「うん。でもまだなの」
「そう」
テストまでの時間はまだある、レイは行動に移した。
「碇クン・・・・ついて来て」
「えっ?」
シンジの手を取ると歩き出した。レイは少し頬を赤らめ目的の場所に進む。またシンジも突然の事でビックリした。
「あ、綾波どこに行くの?」
「カフェテリア」
「そう」
カフェテリアについた二人、まだ手を繋いでいる。そして窓際のテーブルにはリツコが用意しているケーキが置いてある。
「あ、綾波」
「なに?」
「て、手を離してくれないかな」
「・・・・・・ぽっ!」
いつまでも繋がれている手にシンジは照れくさそうに頭をかき、レイは頬を赤らめると残念に離した。
「あそこに座りましょう」
「うん、あっ!あれって綾波が用意したの?」
「・・・・・う、うん」
本当はリツコであるが、レイが用意した事にするように言われている。
「碇クン、メリークリスマス」
「うん、メリークリスマス」
二人は用意されていた料理を食べ始めた。だがシンジには引っ掛かるものがある。
「ねえ綾波、アスカ見なかった?」
アスカの事である。
「知らない。でも平気よ」
「そうだね。アスカは頑丈だから」
アスカのパワーは誰でも知っているので心配しない。
「碇クンこれ・・・・プレゼント」
ポケットから先ほどリツコから用意されたプレゼントをシンジに渡した。
「僕に?」
突然の事に驚く。
「うん」
「開けて良い?」
「うん」
「時計だ!ありがとう綾波、嬉しいよ」
「・・・・・・ぽっ」
シンジの笑顔にレイは無言で赤くなる。
「でもごめん。僕はプレゼントが用意してないよ」
確かにネルフに来てからの出来事であるので、当然用意していない。
「いいの。碇クンがいる事が私にとって一番のプレゼントだから」
「あ、綾波」
レイの言葉に頬が赤くなる、頭から湯気がでそうだ。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
互いに赤くなっている二人、モジモジしながら言葉が出ない。其の時窓の外には・・・・・
「あっ?あれは何?」
レイは何かが降ってくるのに気がついた。
「あっ本当だ何だろう?」
窓の外に降るのは白いもの、雪である。当然常夏に育った二人は知らない。
「確か雪だよ!雪。TVで見た事がある。でも寒い時にしか降らないのにどうして?」
疑問に思った。常夏の日本、雪が降ることが無い。ましてここはジオフロント。
「いいの、これは碇クンと私だけのクリスマスだから・・・・」
「・・・・・そうだね」
二人は訳がわからないままに納得し、雪を見つめていた。
「レイ、良いクリスマスになったわね」
モニターで二人を見ているリツコ、この雪もリツコが開発した人工雪である。
「ふふ、私は二人のサンタクロースかしら」
Xmas、レイ編です。無論LRS!レイはXmasを知りませんでしたが、優しい姉?のリツコさんによってシンジとぽっ!と暖かいXmasをすごせました(^^)
アスカ?知りません(笑)拉致されている時の記憶は無いでしょうね(爆)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION Xmas〜REI〜